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おぢばがえり

  天理教の本部は奈良県天理市にあります。私たち天理教の信者はそこを「おぢば」と親しみを込めて云います。そしておぢばへ行くことを「おぢばがえり」と云います。

 ゆめちゃんの家族も年に何回かはおぢばがえりをします。

 おぢばでは毎月二十六日に月次祭が勤められます。特に一月は春の大祭、十月は秋の大祭と云って、数十万人もの大勢の信者さんが世界中からお参りに来ます。

 ゆめちゃんの家族はお父さんのお休みが取れたので、家族そろって秋の大祭におぢばがえりをすることになりました。

 二十五日に出発し二十七日に帰る、二泊三日の列車の旅です。

 ゆめちゃんはおぢばのカレーライスが大好きです。

 ゆめちゃんが前にお父さんから聞いたのですが、おぢばで食べる食事はみんな炊事本部という処で作るそうです。炊事本部は十万人の食べる食事を作る事が出来るそうです。それを聞いた時、ゆめちゃんは想像が出来ませんでした。でも、おぢばで食べる食事が美味しいのは、大勢の人が丹精込めて作るからなんだろうな、と思いました。

 二十五日の夕方、ゆめちゃんの家族は詰所に到着しました。詰所と云うのは、おぢばにお参りに来た信者さんが、食事をしたり宿泊したりする建物のことです。

 詰所は信者さんが食事の準備をしたり、お掃除をしたり、お庭の手入れをしたりして、お参りに来た人が楽しく過ごせるようにしています。

 ゆめちゃんの家族が詰所の玄関に入った時に、元気な「おかえりなさい」の声が聞こえてきました。

 ゆめちゃんたちは、「ただいま帰りました」と答えました。

 ゆめちゃんは、今まで何げなく聞いていたこの言葉が、急に気になって早速お母さんに聞きました。
「何で、詰所のお姉さんたちは、『おかえりなさい』って言うの?」

 お母さんは次のように教えてくれました。
「おぢばはね、今から十億年近く前に、神様が初めて人間をお創りになった処なの。つまり世界中の人間の魂の故郷なの。」
「だから、このおぢばに来ることを帰ると云うの。だから、詰所で迎える人は『おかえりなさい』と言い、帰ってきた人は『ただいま帰りました』と言うのよ。」

 ゆめちゃんは不思議が一つ解けました。 

 
 

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